健康と安心

年金・医療・介護

健康で長生きできる社会創りは高齢化の進む日本の大きな課題です。活き活きとした老後生活を送っていただくためには、年金制度への不安をとり除き、気力、体力、健康を維持するため地域社会とのつながりをもち続けることも大切です。また、支援が必要な時には温かい医療、介護に頼れる老後の安心も必要です。私たちができるだけ健康で長く自立した老後生活を送れるよう、年金・医療・介護のさまざまな支援体制を築きます。

若者も高齢者も安心できる年金

「社会保障と税の一体改革」により、平成29年8月から年金保険料納付等による受給資格期間が25年から10年へ短縮され、年金が受給しやすくなったのに加えて、低年金対策として、消費税10%への引き上げによる財源手当てとともに、老齢年金生活者支援給付金等の制度を着実に実施します。また、働き方等人生設計に合わせて年金の受給時期や受給額をより弾力的に選択できるよう制度見直しも検討します。

先端医療の普及促進

けいはんな学研都市に開設する理化学研究所におけるiPS細胞やAI(人口知能)技術の研究開発を奨励し、再生医療技術の実用化や、AIの活用による予防医療、介護予防、データヘルスなどの健康維持事業を促進し、遺伝子情報を活用した個別化医療を推進します。また、がんの一次予防を促進し、がん検診の受診率向上を図るとともに、質の高い診断技術の開発やゲノム医療の提供体制の構築を進めます。

患者の利便性向上と負担軽減

高齢者が医療、介護、障害者ケアなどのサービスを垣根なく一体的に受けられるよう、平成29年介護保険法改正により新設された介護医療院や介護と障害者ケアの共生サービスの実施を促進します。また、新薬の薬価見直しについて一定のルール作りを行う一方、後発医薬品を使用拡大し、二重診療と医薬品の過剰投与などを抑制して、保険負担と自己負担の増大を抑制します。国民健康保険の安定的運営と保険機能の強化のため、財政支援を拡充します。

認知症対策の推進

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の実現のため、発症予防から初期、急性期、終末期等の各段階において適切な医療・介護を提供する循環型医療介護総合モデルの構築をめざします。このため、認知症初期集中支援チームを設置し、認知症疾患医療センターを整備して地域包括支援センターと連携強化します。認知症の早期診断とともに、身体合併症、生活機能障害へのリハビリテーション、認知症終末期に対応する認知症病棟の機能分化も進めます。

地域包括ケアの推進

住み慣れた地域で、老後もできるだけ自立した生活が続けられるよう、基礎自治体との連携のもと、健康増進、医療、介護のさまざまな支援プログラムによる「地域包括ケアシステム」を推進します。国の地域医療介護総合確保基金を活用し、病床の機能分化や在宅医療との連携強化、かかりつけ医・かかりつけ薬局等の地域連携や他職種連携、地域ボランティアの養成等を通じて、地域で包括的に見守り・医療・介護を提供する安心できる体制を築きます。介護保険法改正で規定された介護療養病床等から「介護医療院」への転換を促す報酬体系・施設基準に改変します。

医療・介護現場の環境改善

医師の偏在や介護士不足に対応し質の高い医療・介護サービスを確保するため、勤務医の処遇改善や臨床研修医制度の見直し、女性医師の職場復帰の環境整備を図ります。また、介護従事者の確保と職場定着のため、介護士・ケアマネージャー等の処遇改善や研修等の実施を積極的に支援します。