私たちと日本国憲法

憲法改正

戦後72年が経ち、国際秩序や国内経済社会が激動の時代にあります。こうした時代環境にあって、戦後GHQ草案のもとで制定された現行憲法が、国民の生命と財産を十分に守る責務と権限を国に与えておらず、一方、国民の新しい権利についても規定が必要なことから、憲法改正は必要です。実際、近年拡大する北朝鮮・北東アジア情勢の緊迫のなかで、国の自衛権を明確にし、緊急事態の宣言に関する規定の新設や、教育の無償化や充実強化、国民のプライバシー権、国の環境保全の責務、政党運営に関わる規定の新設など、改正の必要性はさまざまな観点に見られます。

憲法改正の発議要件の緩和

憲法改正の国会発議には「衆参両院それぞれの2/3以上の賛成」が必要であるなど現行要件は厳しく、主権者である国民に憲法改正の是非を問う国民投票の機会がなかなか生まれません。国民投票に付する国会発議の要件について、「衆参両院それぞれの過半数」への緩和をめざします。

平和主義の堅持と安全保障

韓国による竹島の不法占拠、中国の尖閣諸島への挑発行為、北朝鮮による拉致や核・ミサイル開発による国連安保理決議違反など、目下、北東アジアでは平和主義に対する脅威が拡大しています。こうした国際秩序の変化のなかで、憲法第9条で国の自衛権を規定し、自衛隊を明記するとともに、領土保全に関する規定の新設もめざします。

総理大臣による緊急事態宣言

第98条・99条で、総理大臣は武力攻撃、社会秩序を混乱させる内乱、大規模災害等の緊急事態が発生した際に、国会の事前または事後の承認のもとに緊急事態を宣言できることとし、緊急の財政支出や首長に対する指示ができることとします。他方、総理大臣の権限を抑制するバランスも大切です。緊急事態を一定期間に限定し、さらに国会が宣言の解除を求める議決をした際にも解除ができるものとします。

政党規定の新設

議会制民主主義においては、政党が不可欠な活動要素であるがゆえに、党内民主主義を確立することなしには、選挙で示された国民の負託が議員や政党を通じて議会に伝わりにくい政治体質となります。真の国民主権の政治に近づけるため、現行憲法に規定がない「政党」を憲法第64条で位置づけ、政党法の制定につなげます。

外国人の地方参政権の否定

地方自治は、国の統治機構の不可欠の要素であり、国民生活に対する影響が大きいことから、国政選挙と同様、第94条において、地方議会の選挙においても日本国籍を有する者が直接選挙を行うものと規定します。

国民の新しい人権の規定

日本をとりまく経済社会の変化に的確に対応するため、現行憲法では明確な記述のない、プライバシー権、環境保全の国の責務、犯罪被害者の人権への配慮などの新しい人権の憲法上の規定をめざします。

教育環境の整備義務

教育が国の未来を切り拓くために不可欠であることに鑑み、無償の幼児教育や充実した教育を受けられる国民の権利を規定するとともに、私学助成や教育施設の整備に国が積極的に取り組むことを念頭に、教育環境の整備に対する国の義務規定を新設します。